2017.09.13 Wednesday

「ベニオオウミグモ」か「オオベニウミグモ」か

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    JUGEMテーマ:生き物

     

    学名を「Colossendeis colossea」という世界最大のウミグモなのですが、Web上では「ベニオオウミグモ」と「オオベニウミグモ」の二種類の日本語表記が混在してしまっているようです。

     

    2017年9月13日時点で、

    ベニオオウミグモ」での検索結果は244件。

    オオベニウミグモ」での検索結果は185件。

    後者のみ「もしかして: ベニオオウミグモ 」とgoogleが気を使ってくれました。

     

    コトバンクの引用ソースは全てが一貫して「ベニオオウミグモ」表記。

    https://kotobank.jp/word/%E3%83%99%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%B0%E3%83%A2-129845

     

    新江ノ島水族館の記事も「ベニオオウミグモ」表記。

    http://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=01989

     

    一方で、wikipediaのウミグモ綱のページでは、現時点では「オオベニウミグモ」表記。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%B0%E3%83%A2%E7%B6%B1

     

    また、こちらのブログから2006年に千葉県立中央博物館で開催された企画展示「驚異の深海生物展」では「オオベニウミグモ」表記で展示されていたことが伺えます。

    http://knkngi.exblog.jp/5303120/

     

    こちらのサイトでも、おそらく上記同様に「驚異の深海生物展」での展示物を撮影したと思われる「オオベニウミグモ」表記の写真を使用しています。

    http://fusigiseibutu.pipi01.com/archives/368

     

    この画像をよく見てみましょう。

    「オオベニウミグモ」表記の展示物画像

     

    この画像では、このウミグモを「クダウミグモ科」としています。

     

    一方、「ベニオオウミグモ」としていたコトバンクでは、「オオウミグモ科」としています。

    「オオウミグモ科」であれば「ベニオオウミグモ」とするのが自然であるように思えますので、単なる誤字や表記揺れというよりは「科」のレベルでの解釈の違いも影響しているのかもしれません。

     

    手元にある書籍での記載も調べてみました。

     

    1995年発行の「Newton別冊 動物の不思議」142ページでは「ベニオオウミグモ」表記。

     

    昭和47年(1972年)初版発行、昭和62年(1987年)第44刷発行の「小学館の学習百科図鑑3 魚貝の図鑑」の裏表紙裏では、驚くなかれ「コロセンディス コロツィア」と学名のカタカナ読みで表記されていました。

    まさかの第三勢力ですが、当時はまだ和名が存在していなかったことが伺えます。

    ちなみに「コロセンディス コロツィア」での検索結果は0件でした。

     

    改めて「科」のレベルでの解釈の違いに戻りますが、「クダウミグモ科」という分類群自体が、Web上で検索したかぎりでは(少なくとも現時点で)一般的ではないように思われます。

    「オオウミグモ科」での検索結果275件に対して「クダウミグモ科」での検索結果はわずか5件。

    しかも検索結果として出てくるのは全て「クダウミグモ属」についての記載です。

    「属」は「科」の下位分類ですが、「クダウミグモ属」は「オオウミグモ科」に内包されるという解釈がこちらのWebサイトでは示されています。

    http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/0003640

     

    「オオベニウミグモ」表記をしているwikipediaでも分類については「オオウミグモ科」を記載しており、「クダウミグモ科」は記載していません。

     

    以上の情報から、自分なりの見解としては、「オオウミグモ科」の「ベニオオウミグモ」がどちらかといえば適当な表記であるように思われます。